デジタルフローラ戦闘服とは
デジタルフローラ戦闘服とは、現在のロシア軍が採用している迷彩柄の戦闘服(BDU)で、サバゲーでも大人気の戦闘服です。またこの戦闘服はロシア陸軍だけでなく、空挺軍(VDV)や海軍歩兵でも使用されています。
「デジタルフローラ」とはその特徴的な迷彩柄を示す俗称で、4色の小さな4角形が無数に組み合わせられたような模様になっています。ロシア軍では戦闘服だけでなく、シャツやベスト、ポーチ、帽子、アーマーなどの装備にも使用されています。
デジタルフローラ、ピクセル、RUSPATって?
一応、ロシア軍での公式名称は「統一迷彩パターン」を意味する略語の「EMR」ということになっていますが、公式的な記事でも俗称が使用される場合があります。「デジタルフローラ」の他にも俗称はたくさんあり、ピクセル、ピクセリカ、ツィフラ(ロシア語で「デジタル」の意味)などと呼ばれています。ロシア軍人の間では「ピクセル」と呼ぶ人が多いようです。欧米諸国では「ロシアンデジタル」とか、アメリカ海兵隊の迷彩服である「MARPAT」に似ているので「RUSPAT」という呼び方もされています。
デジタルフローラはロシア軍復活のしるし
デジタルフローラが開発された2008年は、ロシア軍にとって大きな転換点となる年でした。2008年までのロシア軍とそれ以降のロシア軍では、本当に同じ組織なのかと疑いたくなるほどの大きな変化があり、欧米諸国の専門家たちを驚かせました。「デジタルフローラ」は、いわば「ロシア軍復活の象徴」なのです。
デジタルフローラの迷彩柄の特徴を解説
「デジタルフローラ」が採用される2008年よりも前のロシア軍では、単に「フローラ」と呼ばれる迷彩柄が採用されていました。これは一般に「迷彩」と言われたら思い浮かべるようなごく普通の迷彩柄で、「デジタルフローラ」のようにカクカクしていません。
この古いタイプの迷彩柄は植生の存在を前提としてデザインされたものなので、都会のような植生がない地域だと、色だけ変えても模様そのものが逆に目立ってしまうという弱点がありました。「デジタルフローラ」が角張っているのは、こうした弱点を補うためのものだとされます。模様を変えずに配色を変更するだけで、様々な地域に対応するので汎用性が高いのです。デジタルフローラ戦闘服を着れば、サバゲー初心者でも目立たずに行動できるでしょう。
「デジタルフローラ」を開発したのは、ロシア国防省第15中央研究所というところで、開発者たちはドイツ軍の「フレクター」迷彩服や、アメリカ軍の「デジタルウッドランド」迷彩服へ対抗することを強く意識したと言われています。
デジタル化したロシア軍
旧型「フローラ」を着ていた頃のロシア軍は本当に悲惨な状態でした。給料や年金も支払われず、食料確保のために兵士たちは訓練そっちのけで農作業に駆り出されました。そして2008年、ロシアはジョージア(グルジア)と戦争になります。ここで思わぬ苦戦を強いられたロシア軍は、軍の抜本的な改革を本気で決意するのです。
2009年以降のロシア軍の「デジタル化」はフローラ迷彩にとどまりません。重厚長大なソ連型の軍隊を全面的に見直し、組織の合理化をすすめて、敵を上回る速度での意思決定が可能となることを目指しました。やがてそういった思想に技術が追いつきはじめ、UAVなどの偵察アセットや精密誘導兵器などを装備した現在のロシア軍は、敵の発見から攻撃までの時間を大幅に短縮できるようになっています。
特に空挺軍(VDV)は「アンドロメダD」というデジタル化指揮統制システムをいち早く導入しました。その陸軍版と見られる新型指揮統制システムが導入された西部軍管区第6軍司令部は「スターウォーズ司令部」なんて呼ばれているみたいです。
またシリアではごく普通のロシア歩兵がタブレット端末を持ち歩いて作戦を行っている様子が話題になったりしました。
ロシア軍は「デジタル化」して生まれ変わったのです。
生まれ変われる戦闘服「デジタルフローラ」
皆さんのサバゲーも、まずはデジタルフローラ戦闘服で「デジタル化」してみてはいかかでしょうか。もちろんサバゲー初心者の皆さんにもおすすめです。デジタルフローラ戦闘服の下にストライプ模様のシャツを合わせれば、空挺軍(VDV)や海軍歩兵にだってなれます。可能性は無限大です。
VKBOへ受け継がれるデジタルフローラ戦闘服
2013年、デジタルフローラ戦闘服は、「VKBO(オールシーズン基本被服システム)」へと受け継がれていきます。最近、VKBOは「VKPO(オールシーズン野戦被服システム)」に改称されたようですが、同じものである上にややこしいのでここではVKBOを使います。
VKBOには冬用と夏用の被服一式が含まれており、戦闘服やレインウェア、ベスト、帽子、手袋などの装備にデジタルフローラ迷彩が用いられています。VKBOには他にも下着や靴下、ブーツ、軍手、ネックウォーマー、マスクなども含まれますが、これらはデジタルフローラ迷彩ではないようです。
VKBOにはロシアの最新技術が惜しげなく注ぎ込まれています。濡れても変色しませんし、暗視装置で見られても識別されません。使い込んでも色褪せることがなく、光を反射しないような工夫もなされています。
そしてVKBOのデジタルフローラ戦闘服は、ロシア軍が近代化を成し遂げ、必ず強くなってみせるという2008年の決意が実現しつつあることの証明でもあります。そんなデジタルフローラ戦闘服は、きっと皆さんに新しい選択肢と「決意」を提供できるに違いありません。
ロシア製の物はサイズが合わない。じゃあどうする?
ロシアで製造されたデジタルフローラ戦闘服は日本人サイズではありません。そして値段も軽く15,000円はかかるでしょう。
でも、日本人サイズで、格安で手に入るVKBOデジタルフローラ戦闘服・・・
あるんです。
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