パトリオットパークとは
パトリオットパークは2015年にモスクワ郊外でオープンしたロシア軍の巨大テーマパークです。もともとこの付近はクビンカ戦車博物館がある観光スポットとして知られていて、現在はクビンカ戦車博物館からパトリオットパークへの装備の移転が行われており、この2つをセットで観光する方も多いようです。
パトリオットパークへのアクセス
モスクワ中心部から約70km西の郊外にあり、渋滞がなければ車で約1時間です。ホテルで観光客向けにタクシーを手配してくれると思いますので相談するとよいでしょう。
また電車(エレクトリチカ)でモスクワの「ベラルースキー(Belorusskij)」駅から「ゴリツィノ(Golitsyno)」駅まで行き、そこからミニバス(マルシュルートカ)で行く方法もあります。
パトリオットパークの基本情報
開館時間:火~金曜日10:00~18:00/土、日曜日10:00~19:00(チケット売り場は1時間前に終了)
休館日:月曜日
住所:Minskoye Shosse, 55км, Kubinka, Moscow Oblast, Russia 143063
ゴリツィノのミニバス乗り場はここです。駅から少し離れています。
パトリオットパーク施設案内
パトリオットパーク内の各種施設についてご紹介します。
出典:https://patriotp.ru/
パトリオット・エクスポ
パトリオット・エクスポはロシア国防省関連の展示やイベント、会議などを行う施設です。屋内外の常設展示では新旧の装備品がずらりとならび充実しており、ロシアの新しい観光スポットとして注目されています。野外展示で戦車や装甲車、自走砲などの軍用車両が並ぶ様子は圧巻です。
出典:http://www.patriot-expo.ru/
ここで行われるイベントとしては、毎年夏に行われる国際軍事技術フォーラム「アルミヤ」が有名です。「アルミヤ」は装備品のデモンストレーションや、学術・ビジネスプログラムなどを組み合わせたロシア国防省主催の大きなイベントで、軍人や軍需企業関係者、学者のほか、観光目的の一般客も賑わうものとなっています。
Техника #РВСН в Парке Патриот во время Форума #Армия2018 @ForumArmy2019 @mod_russia #Тополь pic.twitter.com/QZa4veWvTk
— Саид Аминов (@saidpvo) 2018年12月17日
コンサート会場もあり、イベントがある日は観光客でにぎわっています。
出典:http://www.patriot-expo.ru/
会議場ではセミナーなどが行われています。観光目的では入れません。
Семинар по международным правилам проведения военных операций SWIRMO-2019 сегодня начинает свою работу в Конгрессно-выставочном центре «Патриот», впервые мероприятие проходит на территории Россииhttps://t.co/Zt2bUeryAp pic.twitter.com/fAaevuvQRN
— patriot-expo (@KVCPATRIOT) 2019年10月7日
第1・第2展示場
出典:https://patriotp.ru/
第1展示場の屋外エリアでは、260点以上のソ連・ロシア軍航空機や軍用車両が展示されてます。パビリオンには歴史展示の他、空挺軍、空軍、防空軍、宇宙軍の各展示、「祖国に貢献する原子力」展、「戦争の車両」展、「シリア軍の戦利品」展、また戦車などの操縦訓練トレーナーを体験できるゲームセンターがあります。観光するならここは外せないところです。第2展示場はまだ建設中のようです(2019年10月現在)。
パルチザン村
大祖国戦争(第二次世界大戦)時のパルチザン(ゲリラ戦部隊)の拠点をイメージした観光施設です。司令部掩体、破壊工作学校、浴室、就寝用掩体、武器弾薬庫、イコン(礼拝用の平面像)などがあります。
多機能射撃センター
多機能射撃センターは、29の屋外射撃場を持つロシア最大の射撃トレーニング施設です。射撃訓練の他、スポーツ射撃の競技会も行われています。観光に来た外国人が実弾を撃つことはできません。
Первые соревнования прошли на территории Многофункционального огневого центра https://t.co/vzrgjiP4h5 #паркпатриот #мфоц pic.twitter.com/Vtpa9RSGWs
— Парк Патриот (@_parkPatriot) 2017年4月7日
軍事戦術ゲームセンター
軍事戦術ゲームセンターは戦闘訓練を行うための施設です。施設は屋内型、森林型、スポーツ型の3種類に区分されています。エアガンや赤外線交戦装置(ファイアタグ)、レーザー交戦装置(レーザータグ)を使用した戦闘訓練の他、サバイバルゲームなどのイベントや競技会でも使用されます。観光客や子供も楽しめるゲームも用意されています。
馬術スポーツ施設
パルチザン村の隣には、屋外と屋内のアリーナを含む乗馬施設があります。屋内アリーナでは最大300人の観客を収容することができ、「カスカジョール」と呼ばれるロシアの乗馬サーカスが行われるときは観光客でにぎわっています。
軍事史復興エリア
軍事史復興エリアは戦史上の出来事を再現するイベントを行うエリアで、1941年のモスクワ戦や、RKKA(労働者農民赤軍)時代の防御陣地や戦術行動の再現などが行われています。装備品のデモンストレーションが行われる場所でもあります。スポーツイベントを行うための障害走施設もあります。
エクストリームスポーツ・エリア
エクストリームスポーツ・エリアは、モトクロスや四輪バギーなどの競技会が行われるエリアです。
マニア垂涎のパトリオットパークは一度行くべき!
まだオープンしたばかりで建設中のところもあり、アクセスやイベントなどに関するまとまった情報も少ない状況ではありますが、パトリオットパークは「ロシア軍の今」を肌で感じられる貴重な施設であり、とりわけ軍事ファンには見逃せない観光スポットとなっています。
軍を身近に感じられるパトリオットパーク
パトリオットパークでは観光客や軍事ファンのみならず、ロシアの若者の愛国心を高揚するために子供向けの観光イベントなども充実させていることから、「軍事ディズニーランド」と呼ばれることもあるようです。軍に対するアレルギーが強いとされる日本ではちょっと考えられないような、まさにロシアならではの施設です。
若者の取り込みを図るロシア軍
ロシア国防省が立ち上げた「ユナルミヤ(Youth Army)」という少年少女の愛国団体では、軍事史教育や戦術教育、銃火器の分解結合教育、軍への入隊の奨励が行われていて、パトリオットパークはその活動のための施設としても利用されています。
もともとロシアでは軍に対する社会の支持が強く、このような活動が受け入れらやすい土壌があります。しかし近年ではソ連崩壊後の困窮したイメージや出生率の低下などをうけて、軍の募集がかなり難しくなっているようです。パトリオットパークが誕生した背景には、若者を取り込もうとするロシア軍の思惑が感じられます。
Teenagers in #Russia can get military training in Yunarmia (#Youth army) – a military organization established by #Russia Defense Ministry pic.twitter.com/WQkfjnlGf7
— Arseniy Svynarenko (@svynarenko) 2016年10月3日
ショイグ国防相はパトリオットパークのことを次のように紹介しています。
「このパークが「パトリオット(愛国者)」と名づけられたのには理由があります。ここはすべてが愛国心に満ちあふれるようになるでしょう。私たちは航空博物館、装甲車両博物館、砲兵博物館、スポーツ施設、スポーツジム、歴史展示、兵器展示をこの敷地内に集約させています。私たちは、若者たちが展示を見学するだけでなく、軍用車両や航空機に乗ったり、銃火器の射撃を行ったり、パラシュート降下を行ったりできるようなプロジェクトを推進します」
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