ベラルーシのおすすめ観光スポット特集。東欧随一の治安の良さを誇る国の魅力を解説

ベラルーシ 観光 【学ぶ・知る】

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ベラルーシの魅力

ベラルーシの観光スポット出典:http://korelichi.by/

東欧の国ベラルーシは東にロシア、西にポーランド、南にウクライナ、北にリトアニアやラトビアと国境を接する内陸国です。旧ソビエト連邦構成国であり歴史的にロシアとの結びつきが強く、現在もロシアの同盟国です。

また国家保安委員会(KGB)の名前を今でも使っていたり、レーニン像が大切に守られるなど、ソビエト時代の名残をロシアよりも色濃く残していることでも知られています。ベラルーシは現在でも「生のソ連」を観光できる貴重な国です。

ベラルーシは「白ロシア」と呼ばれていた

ベラルーシの「ベラ」は「白」を意味しており、ソ連時代のベラルーシのことを日本では「白ロシア」と呼んでいました。そこから誤解されるようですが、「ルーシ」は直接的に「ロシア」を意味するのではなく、「ロシア」の語源となった古い国の名称です。

またなぜ「白」がつくのかは実はよくわかっておらず、一説によれば五行思想において西を示す色が白であることが由来で、モンゴル支配時代の名残ではないかとも言われています。

ベラルーシのしたたかな外交

ベラルーシでは初代大統領のルカシェンコ政権が20年以上続いていることから、「ヨーロッパ最後の独裁国家」といわれることもあります。一時期は欧州連合(EU)の制裁対象国でしたが、現在はほとんどの制裁が解除されています。

ウクライナとは異なり、ベラルーシは急激な改革を行わず、ロシアとEUを天秤にかけて双方から経済支援を引き出すしたたかな外交を展開しています。どこまで本当かはわかりませんが、ロシアとの関税同盟を利用しEU製品をロシアへ安く輸出して大儲けしている、なんて話もあるとかないとか。

最近のベラルーシは、中国との関係を強化する政策を展開していることでも注目されています。

ロシアやウクライナよりも治安が良い

意外かもしれませんが、ベラルーシの首都ミンスクの治安状況は非常に良好で、日本国外務省の海外安全ホームページによれば、モスクワやキエフが「危険レベル1(十分注意してください)」なのに対し、ベラルーシの首都ミンスクはレベルの指定すらありません(2019年11月)。実は観光にはもってこいの国なのです。

ビザフリー制度でベラルーシがより身近に

2017年にベラルーシでは5日間を上限としてビザフリー制度が開始され、観光のハードルが大きく下げられました。ただし出入国はミンスク国際空港に限られ、海外旅行保険書や1日あたり20ユーロの残高証明書の提示などが条件となっています。

さらに現在、日本からベラルーシへの直行便はなく、最低1度はいずれかの国でのトランジットが必要になります。この際、モスクワ経由のトランジットではロシアのビザが必要となり、ベラルーシのビザフリー制度も利用できない点には注意が必要です。

ベラルーシの観光スポット

ミール城などの有名な観光スポットから、ブレスト要塞やミリタリーショップなどのややマニアックな情報まで、2~3日で回れる観光ルートをご紹介します。

レーニン像

レーニン像出典:http://www.belarus.nemiga.info/

ベラルーシの首都ミンスクの国会議事堂前は広場になっており、巨大なレーニン像があります。そして、そのレーニン像を囲むように、政府機関や教会、カフェ、ショッピングモールなどが立ち並んでおり、ミンスクの中心街を形成しています。広場を横切る通りの名前は「ソビエト通り」です。ベラルーシ観光ならまずは訪れたい場所です。

レーニンはソビエト連邦の生みの親として知られ、ソ連時代には1万体以上のレーニン像が建てられていました。ソ連崩壊に伴い各地でレーニン像の撤去がすすめられていて、最近でもウクライナでレーニン像が倒される様子が報道されたりしました。しかしベラルーシのレーニン像は今でも大切に守られています。

第一次世界大戦時、帝政ロシアとの戦争中にドイツ軍が革命家のレーニンを封印列車でロシアに送り込んだ話はあまりにも有名です。革命後のソビエト政権はドイツと単独講和を結び、これによってドイツは西部戦線に集中できるようになりました。

施設の情報

アクセス:地下鉄「プロシャチ・レニナ(Ploshchad’ Lenina)」駅から徒歩3分
住所:Ulitsa Sovetskaya 11, Minsk, Belorus

ベラルーシKGB本部

ベラルーシKGB本部出典:https://completecityguides.com/

ミンスクにあるベラルーシ国家保安委員会(KGB)本部です。ソ連崩壊後、ロシアを含むほとんどの国はKGBを分割・再編し名称を変更しましたが、ベラルーシだけはソ連時代のKGB機構をほぼ完全に維持しています。諜報機関であり、秘密警察であり、軍の監視や国境警備も担当する幅広い権限を持つ政府機関です。

法治国家では財務省が大きな権限を持ち、人治国家では警察が大きな権限を持つとも言われますが、KGBが維持されていることも、ベラルーシが「独裁国家」とされる根拠の1つとなっているようです。しかしながら、そんな少し怖いイメージでミンスクを訪れてみると、意外と普通に観光できるので少し拍子抜けしたという声もあるようです。

現役の政府機関ですので、本来観光地ではありませんし、当然中に入ることはできません

施設の情報

アクセス:地下鉄「オクチャブリスカヤ(Oktyabr’skaya)」駅から徒歩5分
住所:Praspiekt Niezaliezhnasci 17, Minsk, Belorus

トラエツカヤ旧市街区

トラエツカヤ旧市街区はミンスクの戦前の街並みを再現した地区で、ミンスクの観光名所となっています。川を挟んで隣接する「アッパータウン」と呼ばれる地区でも同様に、古い様式なのにどこか真新しい建物の博物館や教会などを見ることができます。

ミンスクではこれらの地区を除くとソ連時代の建物ばかりなのは、戦時中にミンスクが一度廃墟になってしまったことと無関係ではないようです。

施設の情報

アクセス:地下鉄「ネミガ(Nemiga)」駅から徒歩3分
住所:Vulica Maksima Bahdanovica 17a, Minsk, Belorus


聖霊大聖堂

聖霊大聖堂出典:https://yesbelarus.com/

ミンスクの聖霊大聖堂はベラルーシ正教会の中心的教会です。もともとはカトリック修道院として建設されましたが、帝政ロシア時代にロシア正教の教会となり、ソ連時代は閉鎖されていました。ミンスクの観光めぐりには欠かせない教会です。

施設の情報

アクセス:地下鉄「ネミガ(Nemiga)」駅から徒歩3分
開館時間:11:00~17:00
休館日:なし
住所:Cyril and Methodius St 3, Minsk, Belorus


ミール城

ミール城出典:https://blisch.by/

ミール城は世界遺産に指定されているベラルーシ郊外の城です。16世紀のポーランド・リトアニア大公国時代に建設された個人所有の城でした。ナチス・ドイツ占領時代は強制収容所として利用されました。

まるで日本のRPGに出てきそうなお城で、城の修復中に床下から骸骨が出てきたとか、地下には大きなダンジョンがあり、夜な夜な人のうめき声が聞こえたという噂も。

現在は観光用の博物館になっていて、鎧やタペストリーなどが展示されています。

施設の情報

アクセス:ミンスクから車で約1時間半
開館時間:10:00~19:00
休館日:なし
住所:Krasnoarmeyskaya Ulitsa 2, Mir 231444, Belorus

ネスヴィジ城

ネスヴィジ城出典:http://belmetal.org/

ネスヴィジ城はミール城の南約20kmの位置にある、もう一つのベラルーシの城です。こちらも世界遺産に登録されています

ネスヴィジ城はポーランド・リトアニア大公国時代の有力貴族であったラジヴィウ家が所有していましたがソ連軍により放逐され、ソ連時代はサナトリウム(長期療養所)として利用されました。現在は観光客で賑わっています。

現在のラジヴィウ家の子孫たちはワルシャワ在住のポーランド愛国者として知られ、分家の一部の人々はポーランド系アメリカ人として暮らしているそうです。

施設の情報

アクセス:ミンスクから車で約1時間半
開館時間:9:00~17:00
休館日:なし
住所:Ulitsa Zamkovaya 2, Nesvizh 222602, Belorus

ブレスト要塞

ブレスト要塞出典:https://mapbelarus.by/

ブレスト要塞はポーランドとの国境付近にある要塞です。第二次世界大戦においてドイツ軍によるバルバロッサ作戦の起点となった場所で、ドイツ軍はこの要塞を数時間以内に占領する計画でしたが、ソ連軍守備隊は包囲下のこの要塞を約1か月間保持しました。ソ連はこの功績をたたえ、ブレスト要塞に「英雄要塞」の称号を与えています。

現在のブレスト要塞は、当時の激戦の様子を伝えるメモリアル・パークとなっており、多くの記念碑やモニュメントが建てられています。もちろん観光客向けの博物館もあります。

2010年にはベラルーシとロシア共同で制作された「ブレスト要塞大攻防戦」という映画が公開されているので、ここを訪れるのならぜひ見ておきたいところです。CGではない本物の戦車を使用した戦闘シーンは圧巻です。

施設の情報

アクセス:鉄道駅「ヴァグザール・ブレスト・ツェントラリニ(Vokzal Brest-Tsentral’nyj)」から徒歩40分(タクシーで約10分)
開館時間:9:00~17:00
休館日:月、火曜日は一部施設が休館
住所:Ulitsa Geroev oborony Brestskoj kreposti, 60, Brest 224018, Belorus

ミリタリーショップ「ズヴョーズドチカ」

ミリタリーショップ「ズヴョーズドチカ」出典:http://voenservice.by/

ミリタリーショップ「ズヴョーズドチカ」は、ベラルーシ国防省販売製造局という部署が運営するミリタリーショップで、本来は軍人を対象に販売している本物の制服などが普通に買えてしまう素敵なお店です。

施設の情報

アクセス:地下鉄「パルク・チェリュスキンツェフ(Park Chalyuskintsav)」駅から徒歩15分
開館時間:9:00~18:00(土曜日は10:00~17:00)
休館日:日曜日
住所:Ulitsa Kalinina, 30a, Minsk 220012, Belorus


KFC

KFC出典:http://www.thebohemianblog.com/

言わずと知れたアメリカのファーストフード・チェーン店ですが、ミンスクのKFCはなぜかソビエト化しており、ちょっとした観光名所になっています。こんなところにも、ベラルーシの人々の強烈なソビエト愛を感じることができます。

施設の情報

アクセス:地下鉄「ネミガ(Nemiga)」駅から徒歩1分
営業時間:8:00~24:00(金、土曜日は26:00まで)
定休日:なし
住所:Prospekt Pobeditelei 1, Minsk, Belorus

東欧の隠れた観光名所、ベラルーシでソ連を追体験して。

ソビエト情緒たっぷりのベラルーシですが、現在はやはり再開発が進んでいます。地球上で最後の「生のソ連」を見に行くなら、もう今しかないかもしれません。

ベラルーシでなら、かつて存在した巨大な国ソ連を歴史としてではなく、肌で感じられる貴重なチャンスを手に入れられるでしょう。

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おまけ動画:ベラルーシの女性はビールで髪を整える?!/ミンスクの市街地散歩体験

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