観光名所、ウラジオストクの魅力とは?
出典:https://forumvostok.ru/
ウラジオストクは日本海に面するロシア極東の港湾都市です。東京からウラジオストクまでの距離はソウルよりも近く、飛行時間は2時間半ほどなので、「日本から最も近いヨーロッパ」とも言われ、観光では気軽にヨーロッパ風の街並みを楽しむことができます。
閉鎖都市から国際都市へ
歴史的にウラジオストクは海軍の軍港を中心に発展し、ソ連時代は市外居住者の立ち入りが禁止された閉鎖都市でしたが、ソ連崩後に閉鎖都市指定は解除されました。
現在のウラジオストクは2012年にAPEC首脳会議が開催され、これにあわせてウラジオストク国際空港が改修されて新しくなるなど国際都市へと大きく変貌しており、日本の他、中国や韓国からの観光客で賑わっています。
電子ビザでより身近に
ロシアへの観光旅行にはビザの取得が必要ですが、2017年以降、ロシア極東などの一部地域ではオンライン申請による無料の電子ビザでの訪問が可能になり、日本人観光客にとってウラジオストクはより身近な都市になっています。
ただし、電子ビザでは2都市訪問ができなかったり、入国審査で「姓と名が逆」などの申請時の誤記入が理由で入国を拒否されたりといったトラブルがあるようなので注意が必要です。
参考:ロシア連邦外務省「電子ビザ取得手続き」
参考:在ウラジオストク日本国総領事館「「電子ビザ」を用いた沿海地方でのロシア入出国についての注意点」
治安は大丈夫?
ウラジオストクの日本総領事館によれば、一般的に対日感情は良好とされ、民族的・人種的な理由で邦人が狙われる事件は発生していません(2019年1月)。
最近では女性が一人でウラジオストクを旅行したという話もよく聞かれるようになりました。
ただし、観光客を狙ったスリや置き引きなどの軽犯罪や、警察官・軍施設の撮影を避けるなどの注意喚起がなされているので、渡航前に調べておくとよいでしょう。
寒くない?
ウラジオストクの冬は平均最低気温が-15℃になったりと、とにかく寒いのでしっかりとした防寒対策が必要です。夏は北海道なみの暖かさで、平均最高気温が23℃と非常に快適です。観光に適したシーズンは7~8月と言われています。
ウラジオストクの観光スポット
「鷹の巣展望台」などの有名な観光スポットから、旧マフィア街やミリタリーショップなどのややマニアックな情報まで、2~3日で回れる観光ルートをご紹介します。
鷲の巣展望台
鷲の巣展望台は、ウラジオストク観光といえば必ずここの写真が出てくるほどの定番観光スポットです。ウラジオストクの港を一望でき、夕方に見られるオレンジ色のライトアップも絶景です。
展望台から見える印象的な大きな橋は2012年に建造された「黄金橋」と呼ばれる橋で、国際都市として生まれ変わったウラジオストクの新たなシンボルとして親しまれています。
施設の情報
アクセス:バス停「フニクリョル(Funikuler)」から徒歩10分(プーシキン通りからケーブルカーを利用する手段も)
住所:Eagle’s Nest Mount, Vladivostok, Primorskiy kray, Russia 690091
Видовая площадка «Орлиное гнездо» излюбленное место туристов и горожан. Панорама позволяет увидеть #Владивосток, бухту #ЗолотойРог и #ЗолотойМост во всем великолепии. https://t.co/vKB69Xp5YQ pic.twitter.com/uMWlTb8y5a
— Владивосток-город у моря (@fareast690018) 2019年2月28日
アドミラル・フォーキン通り(噴水通り)
出典:https://svinchukov.livejournal.com/
アドミラル・フォーキン通りはウラジオストクの中心街で、「ウラジオストクのアルバート(モスクワの中心街にある歩行者天国の名前)」とも呼ばれています。立ち並ぶ古風な建物や噴水を眺めながら、雰囲気の良いカフェやレストラン、ショップに立ち寄ることができる観光スポットです。
通りの名前の由来となっているフォーキン提督は、太平洋艦隊の指揮官をつとめたソ連海軍の軍人です。
施設の情報
アクセス:バス停「ツェントル(Tsentr)」から徒歩3分
住所:Ulitsa Admirala Fokina, Vladivostok , Primorskiy kray, Russia 690091
Улица #Фокина(Арбат) #Владивосток pic.twitter.com/qT1wHwZNnX
— Владивосток-город у моря (@fareast690018) 2019年5月8日
ウラジオストク駅
出典:http://vladivostok.dzvr.ru/
ウラジオストク駅はユーラシア大陸を横断してモスクワまで続くシベリア鉄道の起点となる鉄道駅です。駅の建物は100年以上の歴史があり、帝政ロシア時代の名残を色濃く残しています。待合室にある豪華な天井画やシャンデリアも見事です。
列車を利用しなくても無料でホームに入って列車を見て回ることができますので、観光目的で訪れる人も多いようです。
2019年4月に金正恩委員長が訪露した際、この駅に到着したことでも話題になりました。空港へ行くエアポート・エクスプレスは隣りにある別の新しい建物に発着するので注意が必要です。
施設の情報
アクセス:バス停「ジェレズノドロジヌイ・ヴァグザール(Zheleznodorozhnyj vokzal)」から徒歩1分
開館時間:24時間営業
住所:Ulitsa Aleutskaya, 2, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690091
Прямо с вокзала Владивостока Ким Чен Ын поехал осмотреть город pic.twitter.com/j31hchTgaK
— Независимый взгляд 💥 (@zgldz) 2019年4月24日
グム百貨店裏路地
出典:https://www.vl.ru/
ウラジオストクの中心地にあるグム百貨店も観光名所の一つですが、その裏路地は情緒あふれるレンガ造りの建物に、壁アートやカフェ、デザイナーズショップ、雑貨屋などが立ち並ぶ最近の新しい人気観光スポットになっています。
インスタグラムを活用したマーケティングを意識した造りになっており、若者を中心に「フォトジェニック」な場所として利用されています。
施設の情報
アクセス:バス停「ツェントル(Tsentr)」から徒歩2分
住所:Svetlanskaya St, 33, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690091
潜水艦S-56博物館
出典:https://museumtof.ru/
潜水艦S-56博物館は、実際に運用された潜水艦の内部を見学できる博物館です。ロシア語では「C-56」と表記されていますが、キリル文字の「C」は「エス」と読みます。内部では水兵用のベットや魚雷発射管、潜望鏡などに触れることができます。
S-56潜水艦はナチスドイツとの戦争のために欧州方面へ配置換えとなり、第二次世界大戦後に太平洋艦隊へ復帰した経緯があり、行きは太平洋と大西洋、帰りは北極海航路を経由したので、ソ連潜水艦として初めて地球を一周した潜水艦になったのだそうです。
潜水艦の付近にはロシア太平洋艦隊司令部やニコライ2世凱旋門、「永遠の炎」と呼ばれる戦死者追悼モニュメントなどの見どころが多くあり、観光の際にはぜひ散策したいスポットです。
施設の情報
アクセス:バス停「ウーリツァ・ラゾ(Ulitsa Lazo)」から徒歩3分
住所:Korabel’naya Naberezhnaya, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690091
営業時間:10:00~20:00
休館日:なし
#С56 #Владивосток pic.twitter.com/JsseAW0ZkA
— Владивосток-город у моря (@fareast690018) 2019年7月24日
ウラジオストク要塞博物館
出典:http://strana.ru/
ウラジオストク要塞博物館では、海を見下ろす見晴らしの良い高台の要塞跡にミサイルや火砲、装甲車などの兵器がゴロゴロと展示されています。日本人にとって兵器といえば、観光客向けの展示用兵器であってもそれなりに管理されているイメージがありますが、ここに展示されている兵器の無造作な雰囲気にロシアらしさを感じる方も多いようです。
要塞博物館の付近には水族館や昆虫博物館、海が見える公園、カフェなどもあり、観光客だけでなく子供を連れた地元の家族も訪れる憩いの場所となっています。
施設の情報
アクセス:バス停「セミョーノフスカヤ(Semyonovskaya)」から徒歩15分
住所:Batareynaya Ulitsa, 4a, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690091
営業時間:夏季10:00~18:00、冬季10:00~17:00
休館日:なし
旧市街「ミリオンカ」
出典:http://vladivostok.travel/jp/
ミリオンカは、アドミラル・フォーキン通りなどの華やかな街路を少し隔てた裏路地にあり、20世紀初頭に中国人マフィアが多く住んでいたとされる旧市街です。
当時のミリオンカは売春宿、賭博場、阿片窟(あへんくつ、阿片をひそかに吸わせる秘密の場所)などで賑わう恐ろしい場所でしたが、現在はかつての面影を残しながらもカフェや画廊、壁アートなどが並ぶミステリアスな場所となっています。
施設の情報
アクセス:バス停「ツェントル(Tsentr)」から徒歩3分
住所:Ulitsa Admirala Fokina, 10/1, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690091
ミリタリーショップ「ミロトヴォレツ」
出典:https://2gis.ru/
「ミロトヴォレツ」は衣料品を中心としたミリタリーグッズやアウトドア用品のお店です。豊富な品ぞろえで値段もお手頃。清潔感のある店舗です。ウラジオストクの他にも、ロシア極東3都市に店舗があります。
施設の情報
アクセス:バス停「ウーリツァ・ファデエヴァ(Ulitsa Fadeyeva)」から徒歩1分
住所:Ulitsa Fadeyeva, 10, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690034
営業時間:10:00~19:00
定休日:なし
北朝鮮レストラン「カフェ平壌」
出典:https://2gis.ru/
ウラジオストクならではの少し変わったグルメスポットとしては、北朝鮮レストラン「カフェ平壌」があります。冷麺の他にもたくさんのメニューがあり、本格的な朝鮮料理を味わうことができます。
日本から北朝鮮へ渡航するのはかなり難しいですが、北朝鮮国境に近いウラジオストクでなら、その雰囲気だけでも体験することができます。
施設の情報
アクセス:バス停「カザンスキー・フラム(Kazanskij Khram)」から徒歩1分
住所:Ulitsa Verkhneportovaya, 68B, Vladivostok, Primorsky Krai, Russia 690003
営業時間:12:00~24:00
定休日:なし
Еда в городе: Кафе северокорейской кухни «Пхеньян» во Владивостоке https://t.co/CMcGGrkr6a pic.twitter.com/lEwRpeIep6
— Владивосток-3000 (@vvo3000) 2016年11月17日
ウラジオストクは一番近いヨーロッパ
日本から一番近いヨーロッパと言われるウラジオストクの誰も知らないディープな観光スポットをご紹介しました。
魅力がたくさんありまだまだたくさんの興味をそそられる都市であることは間違いありません。日本からたった数時間で行けるウラジオストクへぜひ行ってみてくださいね。
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