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トップ画像は去年のロシア戦勝記念日の画像です。
5月9日はロシアの対独戦勝記念日です。

兵士がアゴを上に向けているのがわかるでしょうか?これはその場にいる自分の指揮官に対して、武器で塞がっている両手を使わずに敬意を払うポージングです。この場面では、兵士が大統領もしくは元帥に向かって敬意を払っています。
5月9日はロシアの戦勝記念日で、ロシアにとっての一大イベントです。
正しくは「対独戦勝記念日」であり、第二次世界大戦でロシア軍(ソ連軍)がドイツを破ったことを記念し、国民の休日となっております。
他のヨーロッパ諸国やベラルーシやウクライナといった旧共産圏でも同じイベントがありますが、常にロシアだけはこの日を別格に扱っています。
しかし、戦勝記念日が祝われるようになったのは最近の話だと知っていましたか?

一体何が目的なのでしょうか?
現代の戦勝記念日は、”一体感”を演出し愛国心を高めるイベント

現代の戦勝記念日をロシア人に言わせると
- たくさんの兵器や兵士が素晴らしいパレードを行う日
- 町中が兵士のコスプレであふれる
- サッカーのような一体感を味わえる一大イベント
と、第二次世界大戦を思い出す日、よりもイベント色が強いのがうかがえます。
圧倒的なコンテンツ力で、知らない人も気を惹かれてしまう?

戦勝記念日のパレードはロシア軍が威信をかけて行うため、
その内容は好きな人だけでなく、初見の人でも見入ってしまいます。
2017年のパレードを静止画で振り返ってみましょう

生中継で振り返る戦勝記念日パレード
2017年の戦勝記念日パレードを、
検索したら出てくるようなつまらない静止画ではなく、
実際にロシアのテレビを見ている感覚で解説します。




























赤の広場からほど近い場所に、戦没者を慰霊する消えない炎があります。




こんなビッグイベントが、国を挙げて行われていたらそりゃあ見ますよね?
同じ興奮を共有したら、なんかみんなが友達に思えてきませんか?
一体感を出すもう一つの仕掛け
全く知らない人でも、自分と同じ何かを身に着けていたら
その人に親近感が急にわくっていう経験は誰にでもあると思います。
ロシアは巧妙に、リボンでその一体感を作り出しているのです。
ゲオルギー・リボン
このゲオルギー・リボンと呼ばれるアイテム、ご存知ですか?
なんとなく見たことはあっても、その詳細を知る人はあまりいません。

町中で配られています
ゲオルギー・リボンはロシア帝国とソ連の勲章のリボンと同じ色であり、とある情報誌によると
2005年の戦勝記念日から、「社会が自発的に始めた」活動となっています。
動画に出てくる装甲車両がこのリボンのマーキングを付けていますよね?
政府関係者がこの運動に目を付けたのはつい最近になってから、と言われています。
もちろん目的は「戦争の惨禍を思い出し、繰り返さないことを再確認する」だそうです。


まとめ:何が目的?
軍事パレード=「強いロシア」の効果的な演出
ゲオルギーリボン運動=一体感の創出
「兵士が尊敬される」情景の創出=軍や兵士への肯定感を高める
戦勝記念日は、ただのお祭りではありません。
ロシアの一体感を高め、国を挙げて戦いやすくする土壌を作り上げる絶好の機会なのです。


そのパレードでも群を抜いてカッコ良く見えるデジタルフローラ迷彩
おまけ:2017年戦勝記念日パレード(ロシア24)