ウクライナの魅力
出典:https://www.worldtravelguide.net/
ウクライナは東にロシア、西にハンガリーやポーランドなどの国に囲まれ、南は黒海に面する東ヨーロッパの国です。英語では「ユークレイン(Ukraine)」といいます。
首都のキエフは、かつてモスクワを含む広大な国家であったルーシ(キエフ大公国)の首都として繁栄した街です。その後の複雑な歴史を経て、ウクライナが独立したのは1991年のことでした。
ウクライナは歴史的にも現在進行系でも、ヨーロッパ世界のダイナミズムを身近に感じられる国となっています。
ウクライナで観光できるの?
普通にできます。ただし、現在ロシアによって占領されているクリミアや、ロシアと国境を接し情勢が不安定になっている東部地域については、日本の外務省から渡航中止勧告がでています。首都のキエフや西部のリヴィウなどは問題ありません。
ウクライナの観光スポット
ユーロマイダンの舞台となった独立広場などの有名な観光スポットから、戦略ミサイル軍博物館やミリタリーショップなどのややマニアックな情報まで、2~3日で回れる観光ルートをご紹介します。
独立広場
出典:https://discover-ukraine.info/
独立広場はキエフの中心にある広場で、2004年のオレンジ革命や2014年の政変「ユーロマイダン」でデモや暴動の舞台となったことで知られています。独立広場のことをウクライナ語では「マイダン・ネザレジノスチ」といいます。マイダンは「広場」の意味になります。
ウクライナは、旧ワルシャワ条約機構加盟国であった隣国のポーランドがNATO加盟を果たし、GDPが7倍になり劇的に豊かになったことなどに刺激を受けて、アメリカや西欧諸国との結びつきを強めています。しかしユーロマイダンで親欧米政権が誕生した結果ロシアの軍事介入を招き、ウクライナ経済は依然として低迷したままとなっています。
独立広場では着ぐるみとの撮影で高額料金を要求する着ぐるみ詐欺や、水着の女性がハグをしてきて高額チップを要求したりすることがあるので注意しましょう。
施設の情報
アクセス:地下鉄1号線「マイダン・ネザレジノスチ(Maidan Nezalezhnosti)」駅から徒歩すぐ
住所:Maidan Nezalezhnosti, 1, Kyiv, Ukraine 02000
Kyiv today, the protest “No to Capitulation” pic.twitter.com/uJsMsUO3h9
— Euromaidan Press (@EuromaidanPress) 2019年10月6日
聖ソフィア大聖堂
出典:https://discover-ukraine.info/
聖ソフィア大聖堂はキエフ大公国のヤロスラフ公によって建設されたキリスト教の大聖堂です。1990年に世界遺産に登録されました。
11世紀の聖ソフィア大聖堂は全ルーシ府主教の座としての地位を占め、大公即位などの儀式に使用された他、外交や教育の舞台でもありました。
現在のウクライナはウクライナ正教やユニエイト(東方カトリック)などに分裂した複雑な状況にあることから、聖ソフィア大聖堂は特定の教派が管理しない博物館となっています。
施設の情報
アクセス:地下鉄3号線「ゾロチ・ヴォロタ(Zoloti Vorota)」駅から徒歩5分
開館時間:9:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:なし
住所:Volodymyrska St, 35, Kyiv, Ukraine 01001
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ペチェールシク大修道院
ペチェールシク大修道院は聖ソフィア大聖堂とともに世界遺産に登録されているウクライナ正教の修道院です。巨大な地下墳墓では数多くのミイラが安置されている様子を見学できます。
修道院の敷地は国立博物館管轄の部分と、ウクライナ正教会モスクワ聖庁が管理する部分があります。現在のウクライナ正教会はロシア系のモスクワ聖庁と、ウクライナ政府の後押しで2018年に独立したウクライナ正教会にわかれています。
施設の情報
アクセス:地下鉄1号線「アルセナルナ(Arsenalna)」駅からトロリーバス38号線「クイエヴォ・ペチェルスカ・ラヴラ(Kyievo-Pecherska lavra)」駅
開館時間:8:00~20:00
休館日:なし
住所:Lavrska St, 15, Kyiv, Ukraine 01015
黄金の門
出典:https://destinations.com.ua/v
黄金の門はキエフ大公国時代に、キエフ市街への入り口として建設された史跡です。建設当時の欧州文化の中心であったビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルにあった、同名の門の名前にちなんで名づけられました。
黄金の門はモンゴル軍によって破壊されましたが、1982年に復元され博物館となりました。クラシックの名曲として知られる「キエフの大門」でもあります。
施設の情報
アクセス:地下鉄3号線「ゾロチ・ヴォロタ(Zoloti Vorota)」駅から徒歩3分
開館時間:10:00~18:00(入場は30分前に終了、火曜日は17:00まで)
休館日:月曜日
住所:Volodymyrska St, 40А, Kyiv, Ukraine 01034
リヴィウ歴史地区
出典:https://www.waymarking.com/
リヴィウ歴史地区はウクライナ西部の街リヴィウで世界遺産にも指定されている歴史建築保護地区です。ユネスコは世界遺産登録の理由として「伝統的な東欧建築と、イタリア・ドイツ伝統建築との融合」をあげています。
リヴィウは過去にポーランドやオーストリア帝国領であった歴史があり、ウクライナの中でも西欧の影響を強く受けている街です。ウクライナ西部では特に反ロシア的な風潮が強く、ロシア語を話しません。
施設の情報
アクセス:路面電車「リノク広場(Rynok Square)」駅から徒歩すぐ
住所:Rynok Square, Lviv, Lviv Oblast, Ukrain 79000
リヴィウ変容教会
出典:https://www.lonelyplanet.com
変容教会はウクライナ西部の街リヴィウにあるユニエイト(東方カトリック)の教会です。ユニエイトとは、ロシアなどで主流になっている東方正教会の典礼を維持しながら、カトリックのローマ教皇権を認めるという、世界的にも大変珍しいウクライナならではのキリスト教の教派です。
施設の情報
アクセス:路面電車「テアトラリナ通り(Teatralna St)」駅から徒歩3分
開館時間:7:00~20:00
住所:Krakivska Street, 21, Lviv, Lviv Oblast, Ukraine 79000
大祖国戦争博物館
大祖国戦争博物館は本来、第二次世界大戦の展示を主体とする博物館ですが、現在は2014年のウクライナ危機以降続いている東部地域でのロシアとの衝突に関する展示にも力が入れられています。
ウクライナ東部は西部と異なりロシア語を話す人が多く、地元の親ロシア派武装勢力をロシアが支援する形で紛争が断続的に続いています。ウクライナの右派武装勢力なども入り混じり、ウクライナ、ロシアともに宣戦布告が行われないまま、SNSを通じて真偽の情報があふれかえるこの紛争は、現代戦の新しい様相として注目されています。
兵器展示では、有料で攻撃ヘリコプターMi-24(ハインド)の操縦席に座れるのも当館ならでは。
施設の情報
アクセス:地下鉄「アルセナリナ(Arsenalna)」駅から徒歩20分
開館時間:10:00~18:00(チケット売り場は17:00まで)
休館日:なし
住所:Lavrska St, 24, Kyiv, Ukraine 01015
The Great Patriotic War museum in Kiev has an exhibition on the war in Donbass in which they paint it as a war between Ukraine and Russian nationalists. However with speaking to Ukrainians, they understand that they are in a war with separatists and Russian nationalists pic.twitter.com/lQ4P7RI8z6
— kayla | Кейла (@peruchakayla) 2019年8月22日
戦略ミサイル軍博物館
戦略ミサイル軍博物館は、かつて本物の戦略ミサイル軍基地であった場所を博物館化した世界で唯一の施設です。有名なSS-18「サタン」ミサイルやロケットエンジン、発射サイロ、運搬車両、司令部施設などを見ることができます。
キエフから南へ約300kmの場所にあるので、移動にはツアーを申し込むとよいでしょう。キエフ中央バス・ステーションからミコライフやヘルソン行きの長距離バスに乗る方法もあります。
施設の情報
アクセス:キエフから車で約3時間半(バスで約5時間)
開館時間:9:00~17:00
休館日:なし
住所:Pobuzke, Kirovohrad Oblast, Ukraine 26555
Here are some pix from the Soviet missile base in Pervomaisk, Ukraine. Scary stuff that I’m glad I saw. Cc @NSArchive @NPIHP pic.twitter.com/5cIy9ztr6A
— FOIA Nate📄 (@FOIANate) 2017年6月14日
ウクライナ国立航空博物館
出典:https://kyiv.dityvmisti.ua/
アントノフ記念ウクライナ国立航空博物館は、キエフのジュリャーヌイ空港に隣接し、かつて空軍の教育航空基地であった敷地を博物館化した施設です。80機以上の航空機やヘリコプターが展示されています。
Tu-22M「バックファイア」爆撃機やTu-142対潜哨戒機(Tu-95「ベア」爆撃機の派生型)などの大型機から、MiG-29「フルクラム」戦闘機、木製でレーダーに映りにくい「ステルス(?)複葉機」An-2など、さまざま航空機を楽しむことができます。
施設の情報
アクセス:バス220号線「アヴィアツィー・ムゼイ(aviatsii Muzei)」バス停から徒歩すぐ
開館時間:10:00~19:00(チケット売り場は1時間前に終了)
休館日:月曜日(火曜日は一部閉鎖)
住所:Pobuzke, Kirovohrad Oblast, Ukraine 26555
ミリタリーショップ「ミリタリスト」
ミリタリストはウクライナ国内に7店舗を持つミリタリーショップです。キエフには2店舗あり、ここで紹介しているのは「インジェネルナ」店です。
最初の店舗をオープンしたのは2005年で、以降キエフを中心にウクライナでのサバイバルゲーム普及に力を入れており、各種イベントの主催や後援を行っています。
施設の情報
アクセス:地下鉄3号線「ヴィドゥビチ(Vydubychi)」駅から徒歩3分
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
住所:Inzhenerna St, 1, Kyiv, Ukraine 02000
ウクライナ食堂「プザタ・ハタ」
プザタ・ハタは国内に30店舗以上を展開するウクライナ料理チェーン店です。日本でいえば「まいどおおきに」的な感じのあのお店でしょうか。気軽に現地ならではの料理を楽しみたいなら、「プザタ・ハタ」が一番手軽でコスパよし!
ここで紹介しているのは独立広場にある「グロブス」店です。付近には他にもたくさんの飲食店があります。
施設の情報
アクセス:地下鉄1号線「マイダン・ネザレジノスチ(Maidan Nezalezhnosti)」駅から徒歩1分
営業時間:10:00~22:00
定休日:なし
住所:Globus, Maidan Nezalezhnosti, 1, Kyiv, Ukraine 02000
ウクライナは知らない魅力がたくさん。でも行く場所だけは気をつけて。
ウクライナは日本では良くないニュースばかりが流れますが、東部地域にさえ行かなければ、魅力的な観光スポットがたくさんあるので見応え充分な国です。
歴史的な建造物や協会から、日本人には馴染みがない軍事施設まで、見どころたっぷりなウクライナへぜひ足を運んでみて。
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