ガスマスク
ですが、みなさん1つは装備にお持ちでしょう。
ミリタリーショップに行ってもチェコ軍やロシア軍の放出品を
見かけることが多いと思います。
細菌や化学物質の被害に対抗する手段は、1世紀以上にわたって存在してきました。
今日はガスマスクの発展の歴史を追いながら、面白いガスマスクをご紹介します。
最初のガスマスク
は中世ヨーロッパでペストが流行した際に発明されました。

このマスクには
- ハーブ
- 藁、
- 良い香りのするスパイス
- 酢を染み込ませた布
などがつめられており、良い香りがペストの菌を寄せ付けない、という考えに基づいたものでした。

菌という概念はまだなく、あくまで「悪い空気」程度の認識でした。

ガスマスクは、人間にとって害のある空気から人体を守る、というコンセプトの元
様々な実験が繰り返されていきます。
聖イサク大聖堂
の天井部分のメッキ作業は、大量の水銀を吸い込む可能性がありました。

聖イサク大聖堂
ホースを通じて外から空気を供給するタイプのマスクでしたが、
皮膚を守る仕組みが無かったため、60人の技師が水銀中毒(水銀の蒸気による中毒)で無くなりました。


消防士のためのマスク

1988年 ソ連の消防士
1871年、アイルランドの物理学者、ジョン・トゥンドールは、
火災で生じる煙や有毒な蒸気から呼吸器を保護するマスクを作り、
1912年には有毒物質にも対応できるものが開発されました。
しかし、気休め程度の効果しか発揮しませんでした。

第一次世界大戦

1916年 ロシア兵
1915年にドイツ軍がロシア軍に対して塩素を使った攻撃を行い、
9,000人の兵士が被害にあったことから、ロシアは化学兵器の対策を急ぎました。
ゼリンスキー博士は、活性炭が有毒物質を最もよく吸収することを発見し、
密閉されたゴム製のマスクを顔に密着させ、フィルターを通して空気を流す
フィルターガスマスクが1915年に登場しました。
その 2年後、ガスマスクは有毒物質や煙フィルターから皮膚を保護する機能を持ち、
1917年までに、ロシア軍は500万を超えるガスマスクを受け取りました。

機関銃の煙を防ぐためにガスマスクを被る兵士

動物用のマスク!?
第1次世界大戦では、騎兵隊が軍隊の主要な兵科の1つであったため、
馬のためにガスマスクが量産されました。

一方ソ連では、犬や豚のために特別なガスマスクを開発しました。

犬用ガスマスク(全身)

ガスマスクは、戦争が激化するにつれどんどん発展を遂げていきました。
まとめ:ガスマスク
- 最初のガスマスクは疫病対策だった
- 戦争で毒ガスが使用されてから、ガスマスクの進化が始まった
- 人間同様に、家畜用のガスマスクも考案されていた
おまけ:WW1のガスマスク動画
